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特集上映[ロベール・ブレッソン傑作選]
【上映期間】 2026年9月18日(金)~10月1日(木)
【鑑賞料金】 通常料金 一般1,900円、学生1,500円、シニア60歳以上1,200円、高校生以下1,000円、しょうがい者割引1,000円、会員1,300円
映画監督ロベール・ブレッソン。
その名前はどんなイメージを抱かせているだろうか、
難しい映画を撮る人だと思われていないだろうか?
ブレッソン映画は、その特徴で説明されることも多かった。
職業俳優を使わない、出演者に演技をさせない、伴奏音楽を使わない、必要なもの以外は登場させない――禁止事項ばかりということか? これでは難しそうな印象になるのも無理はない。
本当にそうだろうか。それらの特徴は禁止事項ではなく、すべてを提示してわたしたちの感覚を縛り付けるのではない、観客の感性を強く信頼しているからだと言えまいか。
ひとたび映画館の暗闇でスクリーンに向き合えば、いろいろなものが見え、そして聞こえてくるだろう。
『スリ』の手の動き、『バルタザールどこへ行く』の少女の迷い、『少女ムシェット』の囚われる視線、『白夜』の輝き、『ラルジャン』の抗えない悪……。
今回の特集では『スリ』『バルタザールどこへ行く』『少女ムシェット』『ラルジャン』に新たな字幕翻訳を作成。
5作品すべてを、現在ある最新のレストア版にて上映。※当館では2K上映
【上映作品】
『ラルジャン 2Kレストア』L’Argent
1983年 フランス他 85分 Language:French
監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン
出演:クリスチャン・パテイ/カロリーヌ・ラング/マルク゠エルネスト・フルノー

高校生が軽い気持ちで使った一枚の偽札が、巡り巡って燃料配達員イヴォンの手に渡り、そこから雪崩のように悪が突き進む。
題名の『ラルジャン』(L’Argent)とは、フランス語で金(かね)を意味する。原作はトルストイの中篇小説『にせ利札』。ブレッソンはこの小説で描かれる悪の連鎖を、透徹した眼差しで見つめた。本作は、撮影当時、すでに80歳を超えていたブレッソンの長篇13作目にして遺作であり、映画史上に屹立する最高傑作である。
『スリ 2Kレストア』Pickpocket
1959年 フランス 76分 Language:French
監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン
出演:マルタン・ラサール/マリカ・グリーン/ジャン・ペレグリ/ドリー・スカル

優れた人間は法を犯す自由があると考える青年ミシェルは、スリの技に魅了され自ら破滅の道を進む。
ドストエフスキーの『罪と罰』をもとにブレッソンが描く魂の遍歴。前作『抵抗』に続き本作でも職業俳優は使われていない。撮影当時16歳だったジャンヌ役のマリカ・グリーンは、これを機に俳優となる。元スリで奇術師のカッサジが指導したスリのシーンは、最小限のカメラワークと緊密な編集で、官能的ともいえる手の美しさを画面に刻み付けている。
『バルタザールどこへ行く 4Kレストア』Au hasard Balthazar
1966年 フランス他 96分 Language:French
監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン
出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー/フランソワ・ラファルジュ/フィリップ・アスラン/ナタリー・ジョワイヨ

聖人のようにバルタザールと名付けられた小さなロバは、幼いマリーに引き取られ可愛がられる。やがてバルタザールは他の飼い主たちの手に渡り、次々と人間の業に翻弄される。一方マリーは、幼馴染のジャックの求愛を退け、みずから求めるかのように苦難の道を歩んでいく。
ドストエフスキーの長篇小説『白痴』の挿話から着想を得たブレッソンの異色作。ブレッソンによれば、バルタザールの生涯は二つの図式からなる。一つは、ロバも人間のような成長過程を辿るというもの。そしてもう一つは、ロバが人類の悪徳を象徴する人間たちに次々と苦しめられるというもの。
『少女ムシェット 4Kレストア』Mouchette
1967年 フランス 82分 Language:French
監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン
出演:ナディーヌ・ノルティエ/ポール・エベール/マリー・カルディナル/ジャン゠クロード・ギルベール/ジャン・ヴィムネ

重病の母とアルコール依存症の父を持つ14歳のムシェットは、学校で友人もなく孤独で苦しい日々を過ごしている。ある日、森で道に迷った彼女は密猟者のアルセーヌに助けられるが、その夜、辛い出来事が起こる……。
カトリックの作家ベルナノスの原作をもとに、ブレッソン自ら脚色した作品。この作品で音楽が使われるのは冒頭と最後のみで、劇中では背景音を組み立てた豊かな音響と切り詰められた台詞で緊張感が高められている。ジム・ジャームッシュは本作を映画史上のトップ10に選んでいる。
『白夜 4Kレストア』Quatre Nuits d’un rêveur
1971年 フランス他 83分 Language:French
監督・脚本・台詞:ロベール・ブレッソン
出演:イザベル・ヴェンガルテン/ギヨーム・デ・フォレ/ジャン゠モーリス・モノワイエ/ジェローム・マサール

ドストエフスキーの原作では19世紀のペテルブルクが舞台だったが、ブレッソンは撮影当時のパリに移し、セーヌ河畔とポンヌフを背景に若き男女の出会いを見つめていく。70年代のパリの街、セーヌの夜を彩る歌や音楽、観光船の眩い美しさ……。さまざまな魅力に溢れる傑作が、ついに4Kレストアされ、鮮明な映像でよみがえる。
【上映時間】



