シナリオ
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「シナリオ」とは、物語を語るやり⽅に映画が与えた名前であるとともに、ジャン゠リュック・ゴダールが⾃⾝の最後の映画に付けることにしたタイトルでもある。この映画は、彼が⾃発的な死を遂げた⽂字通りの前⽇に作られたが、だからといってそれは完成に⾄らないわけではなく、まさしく未完成であるという状態で実現されることになるのだ。さて、『シナリオ〔Scénario〕』は最終的には複数形で『シナリオ〔Scénarios〕』と書かれ、「DNA 基礎を成す要素」と「MRI オデッセイ」の⼆部構成となる。DNAとは⽣物学的な署名であり、それが⼈間主体を特異なものとして構成する。MRIは医学的な画像と衰弱した⾝体の苦しみを思い起こさせ、主体が磁気共鳴の戯れのうちに溶解していくことを暗⽰する。こうして厳密に物質主義的なやり⽅で起源と衰退を喚起する2つの極のあいだで繰り広げられるのは、ある主体の物語、ノートと画像を混ぜ合わせ、18分に凝縮したものからなる物語である。唯⼀無⼆でありながら集合的な語り、死に取り憑かれた⽣の語り。というのも、この映画は永遠の別れの挨拶、葬送の挽歌でもあるからだ。2つのパートはそれぞれ、まったく同じ⼀連のシークェンスで幕を開けるが、第⼆部になると分岐していき、JLGの⾃画像――これが彼の最後のイメージとなる――で終わる。ベッドに腰かけ、ピガールによるヴォルテールの彫像のごとく上半⾝をあらわにし、⾝体の衰えをいっさい隠すことなく、指ならざるものについてのジャン゠ポール・サルトルによる論理的にして滑稽な⼆重の教訓話を書き写す姿である。『シナリオ』は〔各パートの〕幕開けと同じく、繰り返しで終わりを告げる。すなわち、永遠回帰という、時間――それは映画にとっての唯⼀ではないにしても⼤きな問題だったことになるだろう――が過ぎゆくものではなくなった瞬間の形象とともに。
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12月22日(月) 18:10 の上映回について
特別料金
上映スケジュール
- 12.22 (月)
- 12.23 (火)
- 12.24 (水)
- 12.25 (木)



