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2024年12月1日

12/6(金)より 開館20周年記念 BOMシリーズVol.17「アキ・カウリスマキ監督特集」

シネマテークたかさき開館20周年記念
BOMシリーズVol.17
アキ・カウリスマキ監督特集

 

2024年12月4日、シネマテークたかさきは開館20周年を迎えます。
開館記念に恒例となりました、茂木正男が上映したかった監督の特集上映、称して「BOM」=Best of Mogi Masaoシリーズを開催いたします。
記念すべき20周年を飾るのは、アキ・カウリスマキ監督。
カウリスマキ監督が40年以上にわたり描き続けているのは市井の人々の暮らし。
無表情ながら人情味あふれる人々、独特の間合い、そして画面構成は一目で「カウリスマキ!」とわかるほど一貫しています。デビュー作から「労働者3部作(『バラダイスの夕暮れ』『真夜中の虹』『マッチ工場の少女』)、カウリスマキ作品に欠かせない音楽、レニングラード・カウボーイズ主演の3作品、「敗者三部作『浮き雲』『過去のない男』『街のあかり』)など、16作品を一挙上映いたします。

そして、カウリスマキ作品を日本へ届けてくださる配給会社ユーロスペースは、茂木の映画の師であり、かつて「映画館を作りたい!」と真っ先に相談へ向かったのが、ユーロスペース代表の元でした。高崎映画祭、映画館、長年にわたり支え続けてくださる方々への敬意も込めて上映いたします。

 

【上映期間】2024年12月6日(金)~12月19日(木)

 

【特別料金】一般1,500円、学生1,200円、シニア1,000円、会員1,000円、高校生以下500円
      ※各種ご招待券ご利用いただけます。

シアターパス(オンラインチケット予約)はコチラからどうぞ
※上映日の3日前よりご予約いただけます(シアターパス会員登録(無料)が必要です。)

 

【アキ・カウリスマキ監督】

1957年4月4日フィンランド、オリマティラ生まれ。大学でコミュニケーション論を学ぶ。映画評論家としてキャリアをスタートさせるが、評論だけにはとどまらずシナリオ作家、俳優、助監督など数々の仕事に携わる。1981年には兄のミカとともに制作会社<ヴィレアルファ>、1986年にミッドナイトサン映画祭、1987年に配給会社<センソ・フィルム>を立ち上げる。またヘルシンキ中心部で<コロナ・バー><カフェ・モスクワ>というバーが併設された映画館<アンドラ>も運営していたが2019年に閉館。2021年、ヘルシンキ北西の小さな町カルッキラに映画館<キノ・ライカ>を友人とともにオープンさせた。

1983年に初長編監督作品『罪と罰』を発表。86年には『パラダイスの夕暮れ』がカンヌ映画祭監督週間をはじめ各国の映画祭に招待され、世界の映画人の注目を集める。日本では90年に『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』で注目されて以降、全ての監督作が公開され、とりわけ『浮き雲』、『過去のない男』などは大ヒットを記録した。

 

 

【上映作品】

『罪と罰』  1983年 フィンランド 1h33分

製作:ミカ・カウリスマキ/脚本:アキ・カウリスマキ、パウリ・ペンッティ
撮影:ティモ・サルミネン
出演:マルック・トイッカ、アイノ・セイッポ、エスコ・ニッカリ、マッティ・ペロンパー

 

食肉解体工場に勤める男が、恋人をひき逃げした男を射殺した。現場を目撃した女は男をかばい、二人の間には奇妙な共犯関係が生まれていく。ドストエフスキーの「罪と罰」を原作に、孤独な殺人者の葛藤を描写の力で描き出した野心漲る長篇デビュー作。

 

 

『カラマリ・ユニオン』 1985年 フィンランド 1時間20分

製作・脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン
出演:マッティ・ペロンパー、プンッティ・ヴァルトネン、サッケ・ヤルヴェンパー
ピルッカ=ペッカ・ペテリウス、マト・ヴァルトネン、サカリ・クオスマネン

 

「カラマリ・ユニオン」の15人のフランクたちが貧しく息苦しい町を出て、希望の地エイラへと向かおうと決起する。だがその旅路は謎だらけのまま、フランクたちは次々と倒れてゆく……。即興的な演出で、遊び心とユーモア、そして毒気が存分に発揮された第二作。

 

 

『パラダイスの夕暮れ』 1986年 フィンランド 1時間14分

製作:ミカ・カウリスマキ/脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン
出演:マッティ・ペロンパー、カティ・オウティネン、サカリ・クオスマネン、エスコ・ニッカリ

 

ゴミ収集人のニカンデルとスーパーのレジ係イロナの悲哀に満ちた恋物語。現実の厳しさに洗われながらぎくしゃくと進展する恋の行方を、ヘルシンキの景色や挿入歌が雄弁に物語る初期の傑作。

 

 

『ハムレット・ゴーズ・ビジネス』 1987年 フィンランド 1時間29分

製作・脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン
出演:ピルッカ=ペッカ・ペテリウス、カティ・オウティネン、エリナ・サロ

 

シェークスピアの「ハムレット」を大胆に翻案し、陰謀、毒殺、父の亡霊、オフェリアの水死といった骨子を残しながら、ハムレットを造船所の御曹司に仕立てた意欲作。ラストには原作にはない驚くべき結末が用意され、人間の計り知れない暗部が口を開ける。

 

 

『真夜中の虹』 1988年 フィンランド 1時間13分

製作・脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン
出演:トゥロ・パヤラ、マッティ・ペロンパー、スサンナ・ハーヴィスト、エートゥ・ヒルカモ


鉱山の閉鎖と父の自殺に直面した炭鉱夫カスリネンは、父の遺したオープンカーで南へ向かうが、暴漢に金を奪われ一文無しに…。フェードアウトで繋げられる不幸な出来事の連鎖に、ふと挟まれるユーモア。不幸に見舞われ続ける男の姿は『過去のない男』の原点とも言える。

 

 

『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』 1989年 フィンランド他 1時間19分

脚本:サッケ・ヤルヴェンパー、アキ・カウリスマキ、マト・ヴァルトネン/撮影:ティモ・サルミネン
出演:マッティ・ペロンパー、カリ・ヴァーナネン、サッケ・ヤルヴェンパー
サカリ・クオスマネン、ジム・ジャームッシュ

 

恐ろしく長いリーゼントにペンギンブーツの売れないバンド、レニングラード・カウボーイズが、悪徳マネージャー、ウラジミールに振り回され、極寒のツンドラ地帯から、ニューヨーク、果てはメキシコへとむかう。可笑しくも悲しい破天荒なロード・ムービー。

 

 

『マッチ工場の少女』 1989年 フィンランド他 1時間9分

脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン
出演:カティ・オウティネン、エリナ・サロ、エスコ・ニッカリ、ヴェサ・ヴィエリッコ
シル・セッパラ、レイヨ・タイパレ

 

マッチ工場に勤め、母とその愛人を養う憂鬱な日々を送る、地味でモテない少女イリスの物語。台詞をほとんど用いず、画面の連鎖でイリスの不幸な境遇を浮かび上がらせる演出は、『街のあかり』に受け継がれている。洗練と毒の極まった初期の代表作。

 

 

『コントラクト・キラー』 1990年 フィンランド他 1時間20分

製作・脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン
出演:ジャン=ピエール・レオー、マージ・クラーク、ケネス・コリー、セルジュ・レジアニ、ジョー・ストラマー

 

フランスを離れロンドンの水道局で働くアンリは、失業の絶望から“コントラクト・キラー”に自身の殺しを依頼。だがその途端、花売り娘と恋に落ち…。ジャン=ピエール・レオーを主演に、『枯れ葉』同様、過去の偉大な映画へのオマージュを詰めこんだ悲喜劇。

 

 

『ラヴィ・ド・ボエーム』 1991年 フランス他 1時間43分

製作・脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン
出演:マッティ・ペロンパー、イヴリヌ・ディディ、アンドレ・ウィルムス、カリ・ヴァーナネン

 

売れない作家のマルセル、アルバニア人の画家ロドルフォ、音楽家のショナール。パリの片隅に暮らす若く貧しい芸術家3人のほろ苦い青春。フィンランド在住の日本人である篠原敏武が歌う、エンディングの「雪の降る街を」が涙を誘う『ル・アーヴルの靴みがき』の前日譚。

 

 

『愛しのタチアナ』 1993年 フィンランド 1時間2分

製作:アキ・カウリスマキ/脚本:アキ・カウリスマキ、サッケ・ヤルヴェンパー/撮影:ティモ・サルミネン
出演:カティ・オウティネン、マッティ・ペロンパー、キルシ・テュッキュライネン、マト・ヴァルトネン


ふとしたことから旅にでた仕立屋ヴァルトと修理工レイノは、旅の途中で二人の女性クラウディアとタチアナに出会う。ゆったりとした車での道行は、無口な男たちと、呆れながらも彼らを見守る女たちの距離を近づけていく…。

 

 

『トータル・バラライカ・ショー』 1993年 フィンランド 55分

製作:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン
出演:レニングラード・カウボーイズ、レッド・アーミー・アンサンブル

 

冷戦直後の1993年6月、レニングラード・カウボーイズと旧ソ連退役軍人らで結成されたレッド・アーミー・アンサンブルとの合同コンサートのライブ・フィルム。ロックからクラシックまで驚異のアレンジで次々と演奏していく、圧巻と感動の55分。

 

 

『レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う』 1993年 フランス他 1時間34分

製作・脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン
出演:トゥイスト・トゥイスト、ベン・グランフェルト、サッケ・ヤルヴェンパー
マト・ヴァルトネン、シル・セッパラ、マッティ・ペロンパー、カリ・ヴァーナネン、アンドレ・ウィルム

 

旧約聖書をもとにした『ゴー・アメリカ』続篇。成功から一転、テキーラの飲みすぎで崩壊したレニングラード・カウボーイズが、謎の男モーゼの命令で故郷シベリアを目指す。ヨーロッパを多彩な演奏とともに横断する、荒唐無稽にしてメランコリックな痛快作。

 

 

『浮き雲』 1996年 フィンランド 1時間35分

製作・脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン
出演:カティ・オウティネン、カリ・ヴァーナネン、エリナ・サロ、サカリ・クオスマネン
エスコ・ニッカリ、サッケ・ヤルヴェンパー

 

名門レストランの給士長イロナと路面電車の運転手ラウリ夫婦はそろって失業してしまう。職も見つからず災難が続く中、イロナは夫とレストランを開こうと決意する。ラストに今までにない希望が訪れる本作以降、カウリスマキ作品には人間的な温かみが深化してゆく。

 

 

『白い花びら』1999年 フィンランド 1時間18分 ※音楽付きサイレント

製作・脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン/音楽:アンッシ・ティカンマキ
出演:サカリ・クオスマネン、カティ・オウティネン、アンドレ・ウィルムス、エリナ・サロ、ピートゥ

 

20世紀最後の音楽付きサイレント映画。仲睦まじいキャベツ農家の夫婦が、都会から来た男によって引き裂かれるという古典的なメロドラマを、サイレントの効果で寓話的に描きながら、人間の弱さと許しを見つめ、その悲劇性を鮮やかに浮き彫りにする。

 

 

『過去のない男』 2002年 フィンランド 1時間37分

製作・脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン
出演:マルック・ペルトラ、カティ・オウティネン、ユハニ・ニエミラ、アンニッキ・タハティ、タハティ

 

暴漢に襲われ記憶を失った男。過去をなくした男は都会の片隅で人々に助けられながら、ささやかな人生を重ねていくが、やがて男は一人の女性と出会う。ユーモラスで牧歌的でありながらも人生の苦渋を浮かび上がらせた、カンヌ国際映画祭グランプリ受賞の大ヒット作。

 

 

『街のあかり』 2005年 フィンランド 1時間19分

製作・脚本:アキ・カウリスマキ/撮影:ティモ・サルミネン
出演:ヤンネ・フーティアイネン、マリア・ヤルヴェンヘルミ、マリア・ヘイスカネン、イルッカ・コイヴラ、パユ

 

家族も恋人もなく独りで生きる男の前に、一人の美しい女が現れる。だが幸せな時もつかの間、彼女はマフィアの情婦だった…。滑稽なまでに悲劇を受け入れる男の孤独を冷徹に描きながら、やがて灯るかすかな希望が涙を誘う。主演フーティアイネンは『枯れ葉』で主人公の親友を演じている。

 

 

【上映スケジュール】

 

 

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