マルホランド・ドライブ ４Kレストア版

ハリウッドの夜。交通事故に遭い記憶を失った黒髪の女は、偶然たどり着いたアパートで、女優を夢見てカナダからやって来た明るく無邪気なブロンドの女性・ベティと出会う。記憶を取り戻すため、ふたりは「ダイアン・セルウィン」という謎の名前を手がかりに奇妙な探索を始めるが、次第に現実は歪みはじめる。

やがて視点は反転し、ベティは“ダイアン”という別の名前で現れ、幸福な夢は崩れ、嫉妬・絶望・罪悪感に満ちた暗い現実が顔を出す。ふたりの関係、映画業界の不条理、そして幻のクラブ「シルエット・クラブ」での出来事が、現実と幻想、夢と記憶の境界を曖昧にしていく。

「これは夢か、記憶か、真実か」。物語は、失われたアイデンティティと破れた愛をめぐって、観る者を深い迷宮へと誘う。