拳銃自殺で恋人を失って以来「死」と「拳銃」に異常な執着心を抱く男の復讐。
拳銃自殺で恋人の桐子に先立たれたCM制作会社員の合田。この事件をきっかけに、合田は桐子の死の要因となった拳銃に傾斜し始める。ある日、泥酔した合田は、不良グループの少女、千里と再会する。合田は以前にからまれたことで文句をつけるが、後藤たち五人に囲まれて殴り飛ばされ、自分たちがたむろするクラブに金を持ってくるように脅される。合田は彼らに復讐するべく、拳銃を求めて街を彷徨う。だが入手は難しく、自らの手で拳銃を作りクラブに殴り込むが、素人が作った改造拳銃ではダメージを与えることができず、またしても不良グループの前に無力さをさらけ出すことになってしまう。一方、クラブのオーナーであり、不良たちのカリスマ的リーダー、出射は、不良たちに死のゲームを楽しめ、と囁いている。ゲームのような実体感のなさでしか暴力をとらえていない不良たち。反面、いつかは就職し安定したいと考えるアンバランスな側面を持っている。そんな中、死へ傾斜する千里と合田の間に不思議なシンパシーが生まれ、合田はあるグループとの戦いで千里が死を覚悟していることを知る。合田はついに拳銃を手に入れ、実体のつかめぬ自分の肉体を確かめるべく、渾身の力で拳銃を握り締め、深夜の街へと飛び出していくのだった。