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2019年12月7日

開館15周年記念 BOMシリーズ Vol.12 「ふたりのアラン」トークイベント開催のお知らせ

【BOMシリーズVol.12「ふたりのアラン」トークイベント開催のお知らせ】

 

シネマテークたかさきは、おかげさまで、12月4日に開館15周年を迎えます。

映画ファンの皆様のご愛顧に感謝申し上げるとともに、これからも映画の映画の楽しみ、歓びをお届けできるよう上映して参ります。

さて、毎年恒例となりました、BOMシリーズ。本年は、〈ヌーヴェル・ヴァーグ〉を先導したアラン・レネ。そして、世界文学に地殻変動をもたらした〈ヌーヴォー・ロマン〉の旗手アラン・ロブ=グリエ。“ふたりのアラン”の運命的なコラボレーション『去年マリエンバートで』。そして、ロブ=グリエ監督作6作品を特集上映いたします。

 

開館15周年記念 BOMシリーズVol.12「ふたりのアラン」詳しくはコチラをご覧ください。

 

また、特集上映に併せまして、トークイベントを開催いたします。

【「ふたりのアラン」トークイベント】

日時:2019年12月8日(日) 14時10分より

会場:シネマテークたかさき(1F)

 

《登壇ゲスト》廣瀬純さん(映画評論家)

 

〇廣瀬純さんプロフィール

映画批評、哲学。龍谷大学経営学部教授。著書に『シネマの大義』(フィルムアート社、2017年)、『三つの革命 ドゥルーズ=ガタリの政治哲学』(佐藤嘉幸との共著、2017、講談社メチエ選書)、『蜂起とともに愛がはじまる』(2012、河出書房新社)、『美味しい料理の哲学』(2005、河出書房新社)など多数。

 

「廣瀬純さんによるトークイベント「カサーレスとボルヘス、そしてふたりのアラン」開催にあたって

本イベントに興味を持っている方にまず注意喚起しておきたいのは、廣瀬純という1971年生まれの批評家を知るのは、非常に危険なことである、ということだ。

廣瀬純は「シネマの大義」を掲げる。「大義」なんて大仰な言葉、普通映画では使わない。歴史の教科書なんかで、新撰組とか赤穂浪士とかチェ・ゲバラとか、なにやら立派な思想のために死んでいった歴史上の偉人たちが使う言葉だ。

廣瀬さんにとって映画(シネマ)は、単なる娯楽でも教養でも芸術でも謎解きでも夢物語でも、暇つぶしでもない。もちろん映画の楽しみ方は人それぞれ、それで良いのだが、映画を観て「おもしろかった」「つまらなかった」「泣いた」など純粋にその時間ただ映画を楽しんで、映画館を出たらすぐに日常の些事に心を奪われてしまう私たちに廣瀬さんは待ったをかける。

ちょっと待ってください、今あなたがなんとなく観て楽しんでいた映画は、あろうことか実は、人類の歴史に、そして私たちの人生に生活に本気で関係しているんですということを、びっくりするくらい本気の言葉で語りかける。廣瀬純は「愚か者たちに牛耳られたこの世界の悲惨にあって」、数時間のエンターテイメントを別のやり方で語ってみることで、聴衆に向かって、いや全人類に向けて「命を賭して、全力で、来たるべき新たな民を呼び求め」ようとしているのである。なんて時代錯誤な。

そのために、つまり個人的な欲望や想像ではなく全人類に関わる大義名分の下に撮られた映画を私たちの人生に関わらせるために、映画に大義を復権させるために、いろいろな手を尽くす。そこでは、私たちが知らない、大義のもとに殉教した哲学者が登場するだろう、大義のもとに殉教した文学者が登場するだろう、「シネマの大義」の名のもとに自爆したシネフィルたちが登場するだろう。そこには、傷や呪い、あるいは死すらもあるかもしれない。

しかし恐れることはない。ただ映画を観る、ということがこんなにも恐ろしく、スリリングで、アクチュアルなことであることを廣瀬さんはただ教えてくれるだけである。

遠い国でとうの昔に死んでしまったアラン・レネもアラン・ロブ=グリエも、アドルフォ・ビオイ=カサーレスもホルヘ・ルイス・ボルヘスも、私たちの人生に関わっている、ということが本イベントで明らかになるだろう。それは危険なことだ。廣瀬純という狂ったシネフィルを媒介にして、私たちは死者と、全人類と、世界と、繋がってしまうのである。

 

【ご入場方法】

特集上映作品いずれか1作品ご鑑賞の方がご参加いただけます。

※8(日)トーク開催前にご鑑賞の場合、トーク受付時にチケットの半券をご提示ください。

※  〃   開催後にご鑑賞の場合、トーク受付時にご鑑賞料金をご精算ください。

 

ただいま、事前ご予約受付中

劇場窓口または電話(027-325-1744)にて受付。

※定員(58席)に達し次第受付終了いたします。

※全席自由席。開始10分前より受付番号順にご案内いたします。

 

みなさまのご来場お待ちしております。

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