舞台は岩手県一関市。山々に囲まれ冬は雪に閉ざされるこの地は、800年前とほぼ変わらぬ景観を保っているという。そしていくつかの習わしが大切に受け継がれてもいる。ここで暮らす人々の生活を題材にした本作は、実際にこの地に住む14歳の少女ユナの目線を通して描き出されていく。祖母が亡くなった雪の降る日、臼と杵でもちをつくと祖父は言い出した。一つの臼でついた餅を皆で食べることはこの地が育んだ大切な想いでもあった。