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Monthly Column

ーアスリートが輝く瞬間ー

『ダンサー そして私たちは踊った』 上映:5月16日(土)〜 5月23日(土)

間もなく東京オリンピックが開催されようとしているが、新型コロナの影響で、暗雲が立ち込めている(3月上旬現在)。そんな状況下でも出場が期待される選手たちは、トレーニングに余念がないことだろう。並外れた努力を積み重ね、試合に挑む。そんな時期にアスリートが恋に落ちてしまったら・・・?

 

奇しくも今月は、恋に落ちてしまったアスリートの物語が2つある。

 

 

『オリ・マキの人生で最も幸せな日』

上映:5月23日(土)〜5月29日(金)

2016年 フィンランド 1時間32分

監督:ユホ・クオスマネン

出演:ヤルコ・ラハティ/オーナ・アイロラ/エーロ・ミロノフ

 

1962年にフィンランドで初めて開催されたボクシングの世界タイトル戦に挑む実在のボクサー、オリ・マキの話。国中の期待を背負って減量トレーニングに励む中、友人の結婚式に参列して、女友達のライヤと恋に落ちる。それからのオリは彼女のことで頭がいっぱい。元々苦手なスポンサーへの接待に嫌気がさし、練習にも身が入らない。ずっと同行していたライヤがいつの間にか田舎に帰ったことを知ると、練習を抜け出し、逃亡 ! オリの恋と世界選手権は一体どうなってしまうのか!?  ボクシングといえばストイックな世界を連想してしまうが、この映画はひと味違う。なぜならオリが恋をしてしまったから。闘志を表に出さないオリのように、映画も淡々と進んでいく。でも、ライヤと一緒に居る時、オリの表情は変わる。その瞬間がとても清々しく、それは、モノクロの画面の中で、色を持って放たれる。

 

 

 

 

『ダンサー そして私たちは踊った』

上映:5月16日(土)〜 5月22日(金)

2019年 スウェーデン他 1時間53分

監督:レヴァン・アキン

出演:レヴァン・ゲルバヒアニ/バチ・ヴァリシュヴィリ

 

一方、現代のジョージア。国立舞踏団で厳しいレッスンを積む青年メラブの話。ある日、舞踏団に才能あふれるダンサー、イラクリが入団してくる。メラブはその才能に嫉妬し、ライバル心を燃やすが、やがてその心はイラクリへの愛情へと変わっていく。ジョージア伝統舞踏は力強さが求められるが、メラブのダンスには繊細さがある。鬼コーチにそれを指摘され、罵倒され、メラブは葛藤していた。だが、恋をしたメラブは、ありのままの自分をダンスで表現したくなる。ラストのダンスで、メラブは古い価値観から解き放たれたような、自分の今の感情を表すかのような舞を披露し、圧倒的な存在感を放つ。 恋することでオリもメラブも自分らしい生き方、幸せを見つけ、選択していく。 恋をしたアスリートたちはさらに輝きを増す。

(小林栄子)