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Monthly Column

ーおばあちゃんと鯉の不思議な関係ー

『私のちいさなお葬式』 上映:2月1日(土)〜 2月14日(金)

2017年 ロシア 1時間40分監督:ウラジーミル・コット出演:マリーナ・ネヨーロワ/アリーサ・フレインドリフ/エヴゲーニー・ミローノフ

タイトルに「お葬式」とあるので、しんみりとした映画をイメージしていたら、それを見事に裏切る展開に驚きました。ある日、思いがけず余命宣告を受けた73歳のエレーナは、ひとり息子に迷惑をかけまいと、日々のすべてを終活に費やし、突っ走ります。その姿はどこか滑稽でユーモラス。本人は真剣でも傍から見れば喜劇に見えることがあります。

さて、どんな終活を繰り広げるのか。乞うご期待ですが、エレーナは元教師で、彼女か暮らす小さな村にはかつての教え子がたくさんいます。彼らは、多少の無理難題も「先生のためなら仕方ない」と一肌脱いでくれるのです。ですから、エレーナの完璧なお葬式計画は順調に進みます。あとは死ぬのを待つのみ!のはずが、最後の最後に予想外のハプニングが発生!しんみりどころかハラハラドキドキな展開。さらに不思議な世界へ導いてくれるのが、原題でもある「解凍された鯉」なのです。元教え子から押し付けられた食用の鯉をエレーナは自宅の冷凍庫へ入れ、いざ食べようと水で解凍したら、なんと!生き返ったのです。この鯉が終活すればするほど生き生きとし始めるエレーナのようにも見え、彼女の一部始終を見守り、息子との関係をつなぐ大切な役割を担っています。この鯉が大活躍!?する終活映画。まったく想像できないですね。どうかエレーナと鯉のドタバタをスクリーンで見守ってください!(小林栄子)