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Monthly Column

ー映画という“嘘”ー

『僕の中のあいつ』 上映:11月23日(土)〜 11月29日(金)

2018年 韓国 2時間2分監督:カン・ヒョジン出演:ジニョン/パク・ソンウン/ラ・ミラン/イ・ジュニョク ©The Contents On All Rights Reserved

あのパク・ソンウンが高校生に!?
悪役を活き活きと演じる、パク・ソンウンから連想できないこの設定。面白くないワケがない!
いや~想像以上に面白かった!
いじめられっ子の高校生が屋上から落っこちて、その下を歩いていたパク・ソンウンこと、近寄りがたい“一流財閥”の社長とぶつかって心が入れ代わってしまった!
と、よくあるボディチェンジモノだが、大林宜彦監督の『転校生』から、新海誠監督の『君の名は。』まで、時代を経ても変わらずこのテーマが面白いのは、ここには映画の醍醐味が詰まっているから。非現実的な設定とわかっていても、いつの間にかその世界に引き込まれていて、笑っている自分を発見していた。「そんなのありえない!」ってことが、さもありえるように見えてくる。そう観客に思わせてしまうことができるのが映画なのだと思う。
 また、観客だけが入れ代わった事の真相を知っているがために、周囲の人物たちの反応が余計に面白く見えてくる。本作は、2人の物語だけでなく、おじさんが高校生と入れ代わったことで、思いも寄らない衝撃の事実を知ってしまうというアナザーストーリーも飛び出す。青春に親子愛、派閥争い、それに絡んだアクション、コメディに三角関係まで…もういろんな要素がてんこ盛りでお腹いっぱい!
『転校生』や『君の名は』と異なるのが、ボディチェンジしたのが、「男女」でなく、「男男」の設定であり、恋愛に発展していかないが、今、日本でこの設定ときたら、「おっさんずラブ」的な展開もありえるかもしれない。それはそれで見てみたいような?

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