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Monthly Column

ーそれぞれの居場所ー

『ギフテッド』 上映:11月23日(木)〜 終了未定

2017年 アメリカ 1時間42分監督:マーク・ウェブ出演:クリス・エヴァンス/マッケナ・グレイス

“天は二物を与えず”というが、この天才少女は、思いやりもあるし、とびきり可愛らしい。二物どころではないことに、不条理を感じてしまった。
それはさておき、gifted(ギフテッド)とは聞きなれない言葉だった。その定義は、「特定の分野において、先天的に平均よりも突出した知的能力を持つ人」とされている。
主人公7歳のメアリーは、数学的能力に秀でている。母親を亡くし、叔父フランクと猫と元気に暮らしている。学校へは行かずに勉強は叔父から教わり尽くしているが、彼女に「普通の人生を」と願うフランクが公立学校へ通わせることになってから、今までの生活が揺らぎ始める。学校側はその才能を伸ばせる学校への転校を勧め、メアリーが顔も見たこともないおばあちゃんが突然現れ、英才教育を施そうとする。
まだ幼いがゆえに、自分で将来を決められないメアリー。彼女が世界一大好きな片目の猫も同様に、自分の意志が通せない。天才でも猫でもその子にとっての最適な居場所、人生があるはずだ。メアリーの面倒をみてくれる大家の黒人女性が登場する。彼女たちも「普通の人生」を奪われた歴史がある。ここには、ごく限られた少数派/マイノリティであるがゆえの生きにくさも描かれている。
メアリーを演じた10歳のマッケナ・グレイスの聡明な演技を見せられると、彼女もギフテッドなのではないだろうか?やっぱり、“天は二物を与えている”。

(小林栄子)